BROVIA Barolo Brea “Vigna Ca’ Mia” 2018(ブロヴィア・バローロ・ブレア “ヴィーニャ・カ・ミア” 2018)
12,500円(税1,136円)
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ポイント還元
外観はやや淡めのルビーガーネット。香りは高貴で、グラスを回すとスミレの花束、赤スグリやザクロなど赤い果実、乾いたハーブが次々に現れ、時間とともに甘いエキゾチック・スパイス、リンドウやハチミツを思わせる菩提樹の花、カンフル(樟脳)のアクセントも感じられます。芳香の奥行きはこのワインの大きな魅力です。口に含むとまず熟したマラスカチェリーやプラムの豊かな果実味が広がり、セッラルンガらしいタバコや革、鉄分を思わせる土っぽさが下支えしています。中盤以降、リコリスや黒コショウのスパイス、紅茶の渋みなども感じられ複雑です。タンニンはやはり力強く収斂性がありますが、質感はチョーク(石灰)や微粉状と評されるほどきめ細かくエレガントです。。しっかりした酸が全体を支え、口中でエネルギッシュな印象を与えつつ、フィニッシュには僅かな心地よい苦味を伴った非常に長い余韻が残ります。まさに力と優美さを兼ね備えた典型的なセッラルンガ・バローロであり、若いうちから楽しめますが長期熟成にも耐え得るポテンシャルを感じさせます。
世界的な評価::Decanter95点、Wine Advocate (ロバート・パーカー): 94点、Wine Enthusiast: 98点
畑と葡萄品種:ブレア “カ・ミア”畑はセッラルンガ・ダルバ村に位置し、同村産バローロの特徴である力強さとタンニンの堅牢さで知られます。ブロヴィアはこのブレア畑を単独所有(モノポーレ)しており、面積は約1ヘクタール。畑名の“Ca’ Mia”(カ・ミア)は「私の家」という意味の方言で、ブロヴィア家がこの畑に特別な愛着を持っていることを示しています。1955年植樹の樹齢60年以上のネッビオーロ古木から収穫される葡萄のみを使用しています。標高は約350m、南東向きの斜面にあり、土壌は岩盤が顔を出す石灰岩質の泥灰土(ヘルヴェティアン系マール)です。セッラルンガ全体では鉄分豊富な重い粘土質土壌が多い中、ブレアは石灰質が卓越しているためかタンニンに塩味を帯びたミネラル感とエレガンスがあると評価されます。畑の樹勢は強く摘葉などで管理し、収量は低く抑制。年間生産本数は約5,500本程度です。
醸造方法: 醸造の基本は他のクリュと同様ですが、カ・ミアに関して特筆されるのは一部樽のサイズを変えている点です。収穫したネッビオーロはステンレスタンクで15〜20日間のアルコール発酵・マセレーション(天然酵母使用)を行い、その後マロラクティック発酵と熟成のため500Lのトノー樽に移されます。ここで24ヶ月間トノー熟成された後、瓶に移してさらに24ヶ月間瓶熟成させます。他のバローロが30hl級の大樽で熟成されるのに対し、カ・ミアではやや小ぶりの樽(トノー)を用いる点が興味深いです。トノーは大樽ほどではないものの比較的ソフトな抽出で、セッラルンガ由来の強靭なタンニンを適度に丸める効果を狙っていると考えられます。発酵〜熟成の全過程で清澄・濾過は行わず、他のキュヴェ同様に自然に寄り添った醸造です。
熟成: フランス産トノー樽(容量500L)で2年間熟成させる点が最大の特徴です。用いるトノーはおそらく2〜3回使用済みの中立的な樽で、新樽由来の香りが出過ぎないよう配慮されています。24ヶ月の樽熟後、瓶熟をさらに24ヶ月取ることで、力強い構造が落ち着き調和します。計4年の熟成期間を経るため、リリース時にはすでに飲み手にとってある程度親しみやすい状態になっています。トノー熟成は伝統とモダンの折衷とも言える手法で、ブロヴィアはカ・ミアの強烈な個性に微細な丸みを与えるため敢えて採用しているようです。なお、樽熟成中の酸化管理やSO₂添加量の最適化など細部にも最新の注意が払われています。
醸造上のこだわりポイント: (ブレア・ヴィーニャ・カ・ミアは、他のブロヴィアのバローロとは産地(セッラルンガ)が異なるため、その力強い構造とミネラル感をどう表現するかが鍵となります。ブロヴィアは畑を単独所有することで管理を徹底し、セッラルンガの真髄であるタンニンと深みを持ちつつ、自社スタイルであるエレガンスも両立させることに成功しています。伝統に根ざしながら必要に応じて樽の工夫をする柔軟性も、このワインに反映されています。畑では完全有機栽培で土壌生物相を豊かに保ち、醸造では天然酵母発酵・ノンフィルターなど極力自然なプロセスでテロワールを映し出します。瓶内熟成期間も長く取り、要素が統合するのを待つ慎重さです。結果として、セッラルンガの偉大な伝統とブロヴィア家の丹精が融合した逸品となっています。
色タイプ:赤・フルボディ
容量:750ml
アルコール度:14.5度
産地:イタリア