Domaine Barmès-Buecher Crémant d'Alsace Brut Nature 2021(ドメーヌ バルメス ブシェール )
5,500円(税500円)
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ポイント還元
香り: グラスに注ぐと繊細ながら魅力的な香りが立ち上ります。レモンの花やレモンバーム、白い花、春の草原を思わせるフレッシュなアロマに、熟した青リンゴや洋梨のフルーティーな香りが重なります。瓶内熟成由来のブリオッシュや蜂蜜、ほのかなナッツのニュアンスも感じられ、複雑性を伴ったエレガントなブーケが広がります。
味わいと質感: きめ細かくクリーミーな泡立ちが口内を優しく満たし、ピュアで伸びやかな果実味が感じられます。青リンゴや白桃、グレープフルーツを思わせるフレーバーに、生き生きとした酸が調和し、とても骨太でありながら透明感のある味わいです。ゼロ・ドサージュとは思えないほど果実のボリュームが豊かで、スレンダーなボディの中にも旨みが凝縮されています。後味にはライムの皮のような爽やかなほろ苦さとミネラル感が長く残り、キレのある乾いた余韻が続きます。全体として非常にエレガントで精巧、しかも骨の髄までドライな仕上がりのクレマンと言えるでしょう。
相性の良い料理
食前酒としてそのままお楽しみいただくのはもちろん、多彩な料理と好相性です。特に以下のペアリングがお薦めです。
魚介類・甲殻類: 牡蠣や帆立などの貝類、エビ・ロブスターを使った料理(シーフードカクテル、グリル海老など)
白身の肉料理: 鶏肉や豚肉のソテー、クリームソースを使った白身魚料理
乳脂肪分の多いチーズ: ブリー、カマンベール、熟成の若いシェーブルチーズ、ブリア・サヴァランなどのクリーミーなチーズ
揚げ物料理: 天ぷら、白身魚のフライ、フィッシュ&チップスなどの揚げた料理(レモンを添えて)
ブランチメニュー: キッシュやオムレツなど卵料理、スモークサーモンのサラダ等
きりっとした酸と洗練された泡が料理の脂を洗い流し、素材の風味を引き立てます。特に海産物やクリーミーなチーズとの相性は抜群で、互いの風味を高め合います。
醸造と熟成の詳細
使用葡萄品種: 2021年ヴィンテージにはピノ・グリ、ピノ・オーセロワ、シャルドネ、ピノ・ブランの4品種が使用されています(比率はそれぞれ約35%、39%、16%、10%)。平均樹齢約30年のブドウを9月に手摘みで収穫し、スパークリングワインとしては異例なほど完熟したブドウだけを厳選しています。糖度の高いブドウを使うことで、一次発酵から二次発酵まで一切の補糖を行わないという大胆なアプローチが可能になっています。
発酵・二次発酵: 圧搾は非常にゆっくりと行われ、最大15時間かけて果汁を搾汁します。得られた果汁はステンレスタンクへ重力で送られ、天然酵母のみでアルコール発酵を開始します。一次発酵の途中で低温処理を施し、約24g/ℓの残糖を意図的に残して発酵を停止。この残糖を利用してボトル内で二次発酵(瓶内熟成)が行われるため、リキュール・ド・ティラージュ(糖液添加)も不要です。瓶詰めは収穫翌年の2022年3月に実施され、伝統的なシャンパーニュ方式で瓶内熟成約16ヶ月行われました(2023年7月デゴルジュマン)。
ドサージュなしのブリュット・ナチュール: 澱抜き(デゴルジュマン)の際、補糖用のエクスペディション・リキュールは一切添加されていません。失われた分は同ドメーヌの辛口スティルワインで補填し、純粋な状態で瓶詰めされています。その結果、本ワインの残糖はわずか0.5g/ℓ未満と分析されており、「ブリュット・ナチュール」ならではのキリリと引き締まったドライな味わいが実現しています。
栽培方法とテロワール
畑と土壌: ブドウはアルザス南部ヴェットルスハイム村を中心に、周辺の複数区画から厳選されています。丘陵地の畑(グラン・クリュ含む)は粘土石灰質土壌で日当たりの良い東向き斜面、平地の区画はトゥルクハイムやコルマール近郊の砂質ローム層が広がる沖積土壌です。こうした多様なテロワールのブドウをブレンドすることで、クレマンに優美さと個性がもたらされています。平均植栽密度は5,000本/ha、平均樹齢は30年に達し、収量は23hl/ha前後と非常に低く抑えられています。収量を制限し完熟を追求することで、果実の凝縮感と豊かな風味が引き出されています。
有機栽培とビオディナミ: ドメーヌ・バルメス・ブシェールは1998年から畑のビオディナミ農法転換に着手し、2001年に正式認証を取得したアルザス有数のパイオニア生産者です。現在もフランスのビオディナミ認証団体Biodyvinおよび有機認証ABマークを取得しており、化学肥料や除草剤・殺虫剤に頼らない伝統的かつ環境調和型の栽培を実践しています。畑では土壌の生物多様性を高め、植物由来のプレパラシオン(調合剤)や有機肥料のみを用いてブドウ本来の生命力を引き出しています。また区画ごとのテロワールの表現を重視しており、収穫も全て手摘みで丁寧に行われます。 (参考情報として、同ドメーヌはフランスの権威あるワインガイド「ギッド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス」において2022年版より最高評価の三ツ星生産者に選出されています。これはアルザス地方でも指折りの評価であり、ドメーヌの卓越した品質が広く認められている証と言えるでしょう。)
専門誌評価
この2021年ヴィンテージは、世界中のワイン評価誌から軒並み高い評価を獲得しています。
【ワイン・アドヴォケイト誌】では96点という驚異的スコアが付与され、同誌のレビュアーは本クレマンの純粋さと精確な造りを絶賛しました。
著名評論家【ジェームス・サックリング】氏も自身のサイトで95点を与え、「レモンの花やレモンバームの非常にフレッシュな香りに、イースト由来の繊細な複雑味が重なる。スリムでピュアな味わいは精悍かつ活き活きとしており、危ういほど爽快なクリスタルのように長いフィニッシュへと続く」と高く評価しています。
イギリスのワイン評論家ジェイミー・グッド氏(Wine Anorak)も2024年のレポートで本酒に92点を付け、「伸びやかで明るい酸と凝縮感のあるシトラスや洋梨の風味、そして蜜蝋のほのかなニュアンスが感じられる。非常に生き生きとして精密、果実のフォーカスが見事だ」と述べています。
デキャンター誌も「ビオディナミ栽培によるエレガントなブレンド。印象的な柑橘ピールの香りとグレープフルーツの風味が広がり、ブリュット・ナチュールとは思えない厚みを備えている」と称賛しています。こうした各方面からの高評価が示す通り、Domaine Barmès-Buecher Crémant d'Alsace Brut Nature 2021はアルザスのクレマンの概念を刷新する卓越した一本と言えるでしょう。