2022 Garaudet Père et Fils Puligny-Montrachet (ガローデ・ペール・エ・フィス ピュリニー モンラッシェ)
16,000円(税1,455円)
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ガローデ家はブルゴーニュ・コート・ド・ボーヌ地区モンテリー村で5世代にわたりワイン造りを営む名門です。現当主フロラン・ガローデ(Florent Garaudet)は、父ポール・ガローデ(Paul Garaudet)のドメーヌとは別に2008年に自身のドメーヌを立ち上げました。彼は母方の祖母から0.5ヘクタール、父方の祖母から1.5ヘクタールの畑を譲り受け(モンテリー、ムルソー、ピュリニー=モンラッシェ内の7区画)、2008年に最初の醸造を行っています。父ポールはモンテリーAOC生産者組合の長を務めた人物で、自身も約10ヘクタールの畑(モンテリー、ポマール、ヴォルネイ、ムルソー、ピュリニーなど)を所有してきました。こうした家族の歴史を背景に、フロランは小規模ながら高品質なワイン造りに挑戦し、ドメーヌ・フロラン・ガローデのピュリニー=モンラッシェ「ヴィエイユ・ヴィーニュ」2022もその一つです。
ピュリニー=モンラッシェ村の区画:ガローデ家のピュリニー=モンラッシェ白は、平均樹齢45年の古木が植わる複数のリュー・ディ(レ・ブードリエール、ラ・リュ・オー・ヴァッシュ、レ・ルショー、デリエール・ラ・ヴェル)から造られています。土壌は石灰質を含む粘土砂利質で、南南東向きの斜面下部に位置する区画です。祖母から受け継いだ貴重な畑であり、収量を厳格に制限したうえで手摘み収穫されます
。こうした由来により、このピュリニー=モンラッシェは村名格ながら1級畑にも匹敵すると評される品質の基盤となっています。
評価:ワイン・アドヴォケイト誌において、フロラン・ガローデの2022年ピュリニー=モンラッシェ「ヴィエイユ・ヴィーニュ」は樽出し段階で90–92点の高評価を獲得しました。ブルゴーニュ担当評論家ウィリアム・ケリーは、2022年のブルゴーニュ白全般について「非常に強力なヴィンテージで、若飲みにも向く楽しめる仕上がり」と総括しており、本ワインもその例に漏れず高い完成度を示すと評価されています。実際、現地Mインポーターなどのテイスティングでも「熟した洋梨やシトラスにミネラルの芯が通り、1級に匹敵する風格」といった称賛のコメントが見られます。
醸造:フロラン・ガローデのワイン造りは伝統を踏襲しつつ品質志向の細心の手法が取られています。
収穫・圧搾:ブドウは完熟を見極めて手摘み収穫され、低圧の空気圧式プレスで優しく圧搾されます。搾汁後、澱と果汁を1〜2日静置して軽く清澄(デブルバージュ)し、その後ポンプを使わず重力で樽に移してアルコール発酵が行われます。発酵にはブドウ由来の天然酵母が用いられ、ステンレスタンクは使わずオーク樽内で発酵が進められます。 熟成:発酵終了後もオーク樽でシュール・リー(澱と接触)熟成を行い、熟成期間は約12か月です。使用する樽は225〜228リットルの伝統的なピース樽だけでなく、より大きい400リットル樽も積極的に採用している点が特徴です。新樽率は村名クラスの白でおおむね50%前後と適度に新樽を用い(残りは数年使用の古樽)、これは大樽を併用することで過度な樽香を避けつつ複雑性を与える狙いがあります。澱攪拌(バトナージュ)はワインの状態を見ながら週1回程度実施され、ワインに厚みと滑らかな質感を与えます。マロラクティック発酵(乳酸発酵)は全ての白ワインで自然に完了させ、酸味をまろやかに調整します。フロランは品質維持のため収量を強く抑え、必要に応じて選果も厳格に行っています。
仕上げ処理:フロラン・ガローデは「テロワールの個性をそのまま瓶に詰める」ことを重視し、可能な限り清澄やろ過を行わずに瓶詰めします。これはワインに含まれる繊細な風味やテクスチャーを損なわないための方針です。ただし市販段階では安定性を考慮し、必要最小限の軽いフィルター処理のみ施す場合もあります。2022年ヴィンテージの白ワインも基本的に無清澄(アンフィルター)で瓶詰めされており、ピュリニー=モンラッシェ2022もその豊かな風味層とテクスチャーが十分に表現されています。